会長挨拶
namihira
会長 浪平博人
 新しい年を迎えるにあたり、日本サイ科学会の発展と皆様のご多幸をお祈り申し上げます。
 年を重ねると身体能力及び記憶力の激減は否めません。しかしながら、全体を見まわし意味を敏感にくみ取る"気付き"とでもいう力は、年を経ての多くの経験があるがゆえに、むしろ高めて行くことが出来ると私は強く感じています。気付きを高めるにはやはり努力が要り、それは意識して見慣れたことに注意を払うことです。
 例えば、われわれはペンチで鉄の線を切ります。いつも見慣れた事柄です。しかし、鉄の線を素手で引きちぎることに思いを致すと、どうしてペンチでは簡単に切れるのかに不思議さを感じます。その理由を考えれば、ペンチの歯の非常に狭い硬い部分に力が集中するゆえであることに気づきます。すなわち、集中が力の実態であるということです。この気づきをいろいろな場面に展開すると、新しい世界が開けます。
 神は細部に宿るといいます。我々の周りには、目を凝らせば、不思議なことに満ちています。日々に新たに生き生きとありたいものです。
 皆さんのご活躍を期待します。
浪平 博人(なみひら ひろと)
昭和17年2月21日生まれ
広島大学 工学部卒
ブリヂストン入社 21年間勤務
その後大学にうつり、大妻女子大学教授、平成24年退職
動視化技術研究所所長、工学博士、技術士
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