PSI Vol.15, No1 December 1992 Postscript
 編集後記
 この論文集は1992年の夏に発行する計画をたてゝいた。それが年を越してしまった。印刷ができるのは多分2月末か3月始めになるであろう。それでも、権威ある学会雑誌をかりに1993年の発行ということにしてしまえば、1991年のつぎに1993年となるから、書棚に並べたときに1992年が抜けるということになる。これは学会雑誌としては大変まずいことである。かりに印刷は後になっても、表紙の年号は1992年としなければならない。筆者の入会しているアメリカのある学会は創立15年の頃季刊であったが、春季号と書いたのが年末の翌年になったのを見て、やはり前例があると思った次第である。
 さて、発行の遅れた原因はすべて筆者にある。本会15周年記念に講演をして下さったアントニオ・フネウスさんが刷上り30ページ以上にもなろうという「サイ現象とUFO」という大論文をかいて筆者宛1991年12月10日に届 けられた。さすがにプロのジャーナリストが全精力を傾けて書いただけに、新しい術語が随所に見られ、これを翻訳の専門家に頼んでも費用の面だけでなく、相当手古摺るかも知れないし、場合によっては誤訳なども考えられる。そこで筆者なら大丈夫だというわけでもないが、取組む決心をした。それが間違いのもとだったかも知れない。しかし、いくら遅くても、1992年夏には間にあうと予定していた。
 所が1992年は4回も海外に出張しなければならなくなり、いくら頑張っても、タイプ打ち40ページ近い学術論文を訳すとなれば、片手間ではゆかない。しかも、4回のうち3回までは予定にない突発事件に巻込まれた次第であった。そこで、昨年の年末より今年の年始にかけての休みに、万難を排して決行し、多少の妨害も受けたが発行に漕ぎ着けることに成功した次第である。
 その間、故大橋正雄理事、故木村六部会長の訃報等が暮れの12月に相次いで訪れ、さすがの筆者も滅多にひかない風邪をひいてしまって悪戦苦斗の連続であった。アントニオさんの論文のために、その他の御寄稿者各位には大変御迷惑をおかけしたことをこゝでお詫び申し上げる次第である。(S)

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