PSI Vol.1, No1 May 1976 Special contribution paper 3. pp.17-19.
 特別寄稿論文
Manczarski Manczarskiのパルス発振器によるESPテスト
L. E. Stefanski(翻訳 関英男)
Qualitative esp experiments with Manczarski's pulse-sender
L. E. Stefanski (Transrated Hideo Seki)
Psychotronic Section of the Polish Cybernetic Association Warsaw, Poland

内容梗概(訳者追加)
 この論文はポーランド人のステファンスキーが透視の実験を増強するために高周波パルスをターゲットにコイルを通して加えたものである。高周波発信器は写真にみるように簡単なものであるが、マンツァルスキー教授の設計によるものをそのまま用いた。ただ不明なのはカードの下においてあるらしいCrystal netにパルスの磁界を加えたと称している点であるが、Crystal netとはどんなものか、論文のどこにものべられてない。機会があれば照会したい。
 催眠状態でESP訓練の補助としてManczarskiのパルス発振器を最初に使うことは嬉しかった。
 先年、装置の発明者であるStefan Manczarski教授の指導の下に、パルス発振器をこ速の実験に用いた。実験の目的は包んだカードを知覚する静的な結果を得ることにあった。もちろん、この実験では催眠今利用しなかった。被験者は装置から2〜3メートル離れていたから、装置の上においたカードはみえなかった。これらは、つぎの絵に示すようなManczarskiの2違法カードであった。その絵は水平線、垂直線、三角形および円である。発明者は装置の動作をつぎのように説明する。:
 「カードのcrystel net を刺戟するためにループを用いた、コンデンサーの電気がループの巻線を通して非周期的に放電すると、内部磁界が迅速に変化する。こうして、2.4kW相当の瞬間磁界をうける。パルス発振器の実験では、crystel net の振動の刺激によって二つの効果かある。それは、波長10〜100mのcrystal masertypeの刺激と、長波長範囲で約10〜200kmの核常磁性放射の刺激とである」
 Manczarskiの実験では、各2〜3秒間に数インバルスだけ各カードを刺激した。本文の著者は、被験者には完全に未知で、大量のインパルス刺激を与えたとき、受信できる可能性に興味をもった。この問題は疑ひもなく、受け手にとって、より複雑な問題である。定量的なテストで被験者はたゞ刺激されたカードが、水平線、垂直線、三角形あるいは円のうちのどの一つかを決めればよい。 test
 定性的なテストでは被験者に色や形を知らせてない絵を想像させることであった。被験者で背景の色、サインの色あるいはサインの構成などあてなければならない。そのサインは幾何学的図形を同時に一つあるいは二つでもよい。例えば、矢とハートといったように。認識はKafkaやRyzl(ライズルは現在米国カリフォルニアに在住)の方法におけるESPの訓練のように、数回反覆する。
 催眠によらず、軽いリラックスの状態で受信可能である。しかし、1回の実験が成功しても、その後いつも2〜3回不成功になる。それは、相当感受性のよい人でも、その傾向がある。部分的に、あるいは完全に成功した例:L. E. S.(著者の略号)がテストされた、サインは白地に黒の図形である。
 L. E. S.は横になって、軽くリラックスし、目を閉じ、黒布をかぶせられた。装置は約3メートル先にある。パルスは毎秒1回でである、7分後にL. E. S.は「カードに傾いた黒の柱があり、その先が四角くなり、ダイヤモンド・サインのようになってている」といった。9分後に「花の輪廓のようであり、上に向った何物かゞある」といった。11分後に「ダイヤモンドの黒いサイン」といった。14分後に「わたしはあなたに形をかいてみせましょう」といって、つぎの図をかいた。fig.123
 他の例をあげよう。被験者はB. S. で横になり、目を閉じた。この図形も白黒である。
 認識は10分間つゞいた。B. S. は間隅をおいて、つぎのように答えた。
 「白地に何か黒いものがある」
 「何か黒い方形のようだ……しかし、何か隅から突出ているらしい」
 「各隅から2本の線が突出ているようであり、方形の辺が延びている」
 「しかし、この方向の内側は空だ‥…・わかった!それは単なるchecker(西洋碁)だ!」
 同じ被験者は、ちがった地に色のついた文字、赤の半月形、二つの色のついた円を内外に描いた絵、その他をうま くあてた。認識時間の平均は22分であった。パルスは毎秒1回であった。時として想像も交えて、絵を完成した。例えば、赤の半月でテストした場合に、7分後にB. S. は水星のシンボルをみ、それに半月と十字が一緒にみえたが、後で半月だけになった。
  B. S. によって行われたテストについて、つぎのように、みる型について付加えられた。カードは白地に3本の線をふくむ赤い円からできていた。パルスの繰返しは2秒に1回の割であった。5分後にB. S. はいった。「何か赤いものがある」12分後に「それは円だが、それがすべてゞはない」といった。16分後に「円から突出てる線がある」18分目に「それは子供のかいた赤い太陽のようだ」それからチョット間をおいて「6本か8本の線があり、バックは白だ」23分目に「線の数は奇数だ」26分目に「一度は7本だと思ったが、後で9本のようにも思えた」30分目に「ときどき6本のようにもみえる」この瞬間に実験を中止した。
 他の被験者T. J. は、45分間以内に赤地に3本の赤い平行線からなるサインを認識した。しかし、認識は完全でなかったT. J. は3本の赤い線をみとめ、外側の2本は平行であり、1本は少し傾いており、全体が緑の地の上にあった。被験者 S. S. は58分間以内に、緑地に赤色の頭文字Tをみとめた。これは例外的に長い時間かゝった。他の2人の被験者の場合、テストが不首尾なら20〜30分で中止した。
 催眠状態のテストでは大低よい結果が得られ、不成功の例は稀であった。催眠状態のESPの訓練のためには、 KafkaとRyzlの方法でManczarskiのパルス発振器を使った。
 6ケ月の訓練をしてきた被験者K. S. は白地に青文字P、白地に赤文字A、赤地に傾いた十字、青地に黄の半月等 を例外なしに認めた。最後の場合、アイデアでは、明らに青空に黄金の半月と連想されるにもかゝわらず、K. S. は “青地にバナナ”の栓とみとめた。しかし、半月の異常な形がそのような認め方をさせた、といわなければならならない。K. S. について行った実験の結果をみると、Manczarskiのパルス発振器が、情報の超感覚受信の訓練に大変役にたつことが分った。 K. S. の場合、パルス発振器を用いないと、成績がよかったり悪かったりむらがあったが、それを用いると、いつもすばらしい成績が得られた。そして、われわれがよく知ってるように、この種の訓練で一度成功すると、それが励みになって、その先、被験者が自身の能力に、自信をつけて、非常に進歩するようである。
 将来、深い催眠に入らない被験者もそのような訓練ができるものかどうか結論するには、まだ資料不足である。被験者S. I. について、Davis and Husbandの軽い催眠11度において、白地に文字Tを赤および青のサインよりなるテストをした。 S. I. は白地に何か赤と青のものをみた。成分は混合してみとめられ、とにかく、文字Tは書いたものゝ、サインの形を正確に表現できなかった。
 しかし、すべての被験者たちは、パルス発振器のはたらきに無関心であった。深い催眠で訓練しつゝあった被験 A. B. は瞼(まぶた)と前頭部の筋肉の振動という形で、発振器の各パルスに反応した。 J. P. 、L. E. S. 、B. C. のテストでも同様の反応がみられた。 A. B. の感じた各パルスは小さいけれども、不愉快なショックであった。そのたため、実験全体も不愉快であった。
 上記すべての実験は予備的なものである。これらは模索の方法をみつけるために行われ、最終の成果は期待しなかった。被験者たちはテストを実行したゞけでなく、装置の研究もやった。L.Bodychや、T.JanuszewskiならびにEdward Lepakは各種のパルス発振器の組立てをした。パルス発振器の試験は他の活動の周辺においてのみ行うこと ができた。それがつぎのような疑問をのべる理由である:
 1.どの程度にパルス発振器は本当の助けになるか。また、「電磁パルス発振器がわたくしを助けている」との被験者の自己暗示はどの程度であるか?決定的結論をだすにしては試行回数が余りにも少なかった。しかし、わずかの実験結果によると、パルス発振器を使ったと偽称したときの結果は非常にわるかった。また、パルス発振器を非常に長時間動作させたにもかゝわらず、必ずしも全部は適中しなかった。
 2.すべての実験で、テストの内容は被験者に知らせず、実験管理者と参観者とには知られていた。それゆえ、テレパシーの影響を除去することはできなかった。
 訓練にパルス発振器を使う場合には、このことはあまり重要でない。 というのは情報の受信はどっちにしても超常的経路迂路を通るからであり、それが最も重要だからである。
 3.送信者および受信者の神経系に対しての電磁パルスの影響はまだ説明されていない。われわれの想像では、パルス発振器は電気催眠あるいは電気昏睡に用いられる装置と同様に作用するのではないかと思う。カードのcrystalnet の振動を刺激するのに、どれだけ助けられているか?また、よいテレパシー送信者となるよう、どれほど実験管理者に電気催眠の効果を与えるか?よりよく受信しはしめた受信者に影響があるか?
 4.認識期間中すべての実験において、テスト・カードは受信者の横の方におかれ、かれの上の方におかれることはほとんどない。カードの前面はつねに天井をむいている。それでは受信者はなぜカードを前面からみて、横の方、例えば厚さの方からみないのであろうか?
 「わたくしは装置を見下ろしており、その上に何かあるかを探している」といった想像に関連する認識と実際の物理的過程と関係があるか? 一種の“生物的レーダー"をもって何かをなさねばならないのか?
 多くの動物はそのようなレーダーをもっている。そのような現象のよく知られた例としては、こうもりの超音波 エコー測位がある。
 受信者の器官からみえない足をだして、生体プラズマ(プラズマB)が、この場合に作用するのか?
 それはそうだとしても、Manczarski教授の命題は証明された。ちょうど、近視の人が灰色の物の間にある蛍光塗装のものをよりよく見分けられるように、パルス発振器の利用で、被験者はよりよくみえるのである。

 参 考 文 献
1. S. Manczarski, a cycleof articles in themagazine "Przeglad Telekomunikacyjny", 1946, number 10, 11, 12, 1947-number l, 2, 3, 4 ;
2. S. Manczarski, The usage of Cybernetics and Radiophysics in Parapsychology, "Przeghd Telekomunikacyjny" 1961-number 11
3. S. Manczarski,New Possibilities of lnfluencing the Sensesand Memory of a Human-being, materials from a symposium "Problems of modern teletransmitting systems"-publ, Polska Akademia Nauk, Warsaw1963.
4. the same title in Russian "Zarubieznaja radioelektronika,"1974 number 7, Izdatielstwo "Sowietskoje Radio"
5. "Telepathy no longer an enigma, "magazine "Poland"-1962,number 5/93;
6. K. DrbalZ. Rejdak, "Perspektywy Telepatic,"publ. Melantrich, Praha l970.
7. M. Ryzl, Hellsehen und andere parapsychische Phiinomene in hypnose, Ramon F. KeHer verlag, Genf 1971.

 付録 パルス発振器の仕様等
 Manczarskiの装置データ: パルス発振器  
ー共振周波数
ーコイル内でのパルス立上り時間
ーパルスの有効継続時間
ーパルスの最大電力
ーコンデンサー容量
ーコイルのインダクタンス
ーコイル径 32cm,導線径 1mm,
ー抵抗
LC= 8600Hz(入= 35km)
18.6μsec
34μsec
2360W
C= 4μF
L= 86×10-6H
巻数11回
R= 25Ω

 上記は供試装置のデータで、最初の仕様通りであるが、実験方法についてはつぎのように多少ちがっている。
1. 実用機で商用電源から変圧器と整流器を通して供給する回路;改作機では電源から変圧器なしで、半導体整流器から供給する。
2. 共振回路の定数変更;コンデンサー容量を8μFに増加、共振周波数8600Hzを等しくするため、コイルインダクタンスを減少した;別の試作機ではC=30μFとした。
3. 共振回路のコンデンサーを送信機で切替えるようにした。  (関 訳)

訳者注:パルス発振器で励振することがESP能力を増進するものであるとの点は非常に興味あるが、crytal netが何であるかの説明がないため、疑問が残った。とくに原文にはcristalとなっているが、英語のスペルにない用語である。内田理事と面識のある著者なので、適当の機会に問合せて頂ければと思っている。
この論文は著者の快諾を得て、December 1975 イタリアのDimensione psi誌より訳した。

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