PSI Vol.46, No.1 October 2024 Data 1c. pp.33-36.
気付きの方法論
浪平 博人*


気付きについてですが、
大企業を作り上げた創業者の行動には鋭い気付きの話に満ち満ちています。
見逃しがちな事柄から意味を汲み取りそれを時代の行先の見通しに結び付ける能力は、
優れた人たちがもつ特性です。

そのような例として、
タイヤ業界の雄であるブリヂストンを創始した石橋正二郎氏が挙げられます。

彼は創業の初めは久留米で足袋を作っていました。
商用で上京したとき、
東京では市電はどこまで乗っても料金は一定であることにハッとくるものを感じました。
当然のことながら、足袋にも多くのサイズがあり値段が異なっていました。
値段を統一すれば管理費が下がり、
その分だけ安い値段で済ませることができるのではないかと思い至り、
これをすぐ実行しました。

方法の観点からみれば、気付きには起点となる“おやっ”と気になる事柄と
それを軸に展開するためのある視点が必要です。
そして起点は我々の周りに見つけられるのを待って隠れているのです。

“神は細部に宿る”と昔から言い伝えられています。
起点を中心にある視点で見通したとき其の上に見えてくるものが
気付きの素材となる類似性を持つ事柄です。
*Please ask an author's contact to a secretariat.
*著者連絡先は事務局までお問い合わせください。
PSIJ top