PSI Vol.46, No.1 October 2024 Data 1b. pp.26-32.
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人類は生き残れるのか?
三好 一郎*
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古代より、地球上の人類は高度文明を築き、そして幾度となく滅亡し、
また再生してきたと言われている。
2000年代における今日の文明は、月に行けるほどの文明を築き、
そして何事も科学で割り切れ、解明できるとアカデミー界では考えられている。
その科学的発想をもとに、未来における人類滅亡となるのかについて考察してみた。
人類滅亡
地球において、46億年前に原生動物が出現した「先カンブリア時代」、
その後の三葉虫や魚類が爆発的に増加した「古生代」があり、
3億5千年前に恐竜が出現し、栄華を極めたジュラ紀、白亜紀の「中生代」。
そして、巨大隕石の落下で、
多数の生物が絶滅したと言われている6,600万年前から「新生代」となるが、
この新生代の「第四紀」のうち、
最終氷期が終わった11,700年前から続く地質時代は「完新世」と言われ、
温暖で安定した気候環境の中、人類、鳥類は適応し、
全世界に植物は種子と共に広がりながら、
今日まで人類は文明を発展させてきた。
人類は、戦争を繰り返すたびに、特に第2次世界大戦を機に科学と兵器の進化が著しく、
核兵器の開発・実験が開発され社会産業の基礎ともなった。
さらに、人口爆発なども進行していき、
気候の温暖化、熱帯林の減少、生物多様性の喪失、水質・海洋汚染などの
環境破壊が問題化されてくる。
これら、人間の営む社会生活、産業が地球へ及ぼす影響は、
回復不可能なほど深刻なものになってきている。
人類が有する過度の影響力を踏まえ、
完新世に続く新たな「地質時代」として位置付けられようとしているのが、
「人新世」
(21世紀に入ってから、新たに提唱されている「人類の時代」という意味の、
地質学の新しい時代区分で、人類が産業革命などを通じて、
地球規模の環境変化をもたらした影響に注目して提案されたもの)
といえる。
この人類が今日まで築き上げてきた、文明・文化だけでなく人類までが滅びていく
と仮定した場合、どの様な原因によるものかいくつか列記してみる。
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