PSI Vol.43, No.1 December 2021 Data 1i. pp.59-65.
特異能力者における脳内活動の科学的研究
小林 信正(特異能力研究会主宰) *

要約
勘や直観、第六感、ひらめきなどは、如何なる条件下において感受されるものなのか。
このメカニズムは諸説あるが、瞑想、精神統一などにより変性意識状態から無意識に至る「無」の境地のとき、さらには五感を超えた超感覚的知覚(ESP)が誘発されるという。 最新の機器を駆使して科学的に大脳皮質内の活動状態の計測を行い、検証、考察する。

(1)はじめに
人間には本来誰でも備わった潜在的な超感覚的知覚(ESP)能力があり、ある条件下で顕現するという。わが国では宗教の修行法に取り入れられ、座禅の瞑想や密教の阿字観、神道の滝行などの難行苦行等々、経験的技法が行われてきた。いわば大自然との精神的融合の一体感に到達するとき、ESP能力も高められるとされている。

現代の私たちは論理的判断や推論などの思考が重視され、ESP能力などは退化しているように思われる。人工知能(AI)時代到来が叫ばれている昨今、むしろ私たちはAIの特性には無い“ひらめき”の感受性を高めて、直観力や創造性に磨きをかけることが望まれる。

本研究は、正常の「覚醒状態」から「変性意識状態」に移行する際における、脳内活動のメカニズムを科学的機器により計測し、画像化する。そして直観、閃き、霊感、透視、予知予感など、五感を超えたESPを誘発するとき、大脳内の血流活動はどのような状態なのか。特異能力者の大脳の活動状態を科学的に計測してESP能力のメカニズムをも考察する。

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