PSI Vol.42, No.1 December 2020 Data 1g. pp.52-56.
免疫力の促進と抑制
志賀 一雅(脳力開発研究所)*

概要
 いまパンデミックとして騒がれているCOVID19 と称する新型コロナウィルスの感染や 発症・重篤化・死亡者数が地域や国によってかなり差が生じている。 ワクチンや治療薬がまだ開発されていない現段階では、 この差はひとえに各自の免疫力の発揮の差と云っていいかも知れない。

 一般に免疫力の主役はT-リンパ球であり、医学・生理学の分野では栄養・睡眠・適度の運動に 依存するとは言われているが、エビデンスのしっかりとした論文が見つからない。 いわば常識として受け入れてしまうと無批判になりがちだが、 新型コロナのパンデミックの実態を見ると 折角備えている免疫力を抑制しているように思えてならない。

 伊丹仁朗氏の自律訓練法を主体とした生きがい療法1)では 関与した末期がん患者のほぼ50%は病状が改善され延命したり中には治癒するという。 末期がんであるから医学的処置は絶望であり患者自身の期待感や希望・喜びなどの心理的なアプローチによって 免疫力が高まると云う。毎年夏にはがん患者の希望者を募り富士登山するが、参加者のほとんどは病状が改善されるという。 期待感と喜び・満足感が免疫力を高めることになる。

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