PSI Vol.41, No.1 December 2019 Data 1f. pp.54-58.
スピリチュアル・ヒーリングついての私見
特異能力研究会主宰 小林 信正*

Abstract
(はじめに)
 現代では、西洋医学や伝統的な民間療法とは異なる霊的な治療法があります。
この治療法は「心霊治療」とか「スピリチュアル・ヒーリング」と呼ばれており、その種類は多岐に
わたっています。従来、WHO(世界保健機関)はその憲章前文のなかでは、「健康」を

「完全な肉体的、精神的及び社会的福祉の状態であり、
単に疾病又は病弱の存在しないことではない。」

と定義してきました。しかし1998年にWHO憲章全体の新しい見直し作業の中で提案され、「健康」の定義を

「完全な肉体的(Physical)、精神的(Mental)、スピリチュアル(Spiritual)及び社会的(Social)福祉の
Dynamicな状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。」

と提言されています。

 このSpiritual(霊的、魂)という概念である、健康とは?・・・

 科学至上主義の西洋医学から観ると、心霊治療などは不確実な怪しい治療法とみなし、
迷信やまやかしに過ぎないとする見方が根強いものがあります。しかし、現代医学から見放されている人々は、
藁をも掴む気持ちで心身の苦しみから開放されるならどんな方法でも良いと、
心霊治療に望みを託している人々もいます。

 そして奇跡的に治癒したという報告事例もあり、今や日本でも見直されつつあります。

 現代医学は多くの慢性病やストレスによって引き起こされる心因性の病気である
「心身症」などに対しては無力であるため、これまでの医学に替わる医療という意味で
「代替医療」と呼ばれています。

 中でも“病は気から”とした療法の東洋医学とか自然治癒力が病気を治すという
ホリスティック医学やスピリチュアル・ヒーリングと言われる、手当・手技療法、
気功、ヨーガ、イメージ療法、セルフコントロール法、各種自然療法等々、
さらに心霊治療(除霊・浄霊治療、医療リーディング、遠隔治療、ヒーラーによる
スピリット・ヒーリング)など、さまざまな代替医療が注目されるようになっています。

先進国では、人々の健康をケアする「spiritual care(スピリチュアル ケア)」の時代に
入っています。欧米においては、科学的な西洋医学と伝統的なスピリチュアルの治療(ヒーリング)
の併用が現に実施されているのです。英国ではスピリチュアル・ヒーラーの数は6千人にも達し、
医者の補助機関として健康保険の適用も受けられ国家的に認められているのが現状です。


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