PSI Vol.40,No.1 December 2018 Data 1c. pp.42-50.
憑依現象についての考察
小林 信正*

Abstract
(はじめに)
 古来から霊が人に憑くという「憑依現象」は、洋の東西を問わずみられる現象である。
科学が発達した現代においても、不可解な言動を発したり、ときには性格までもが一変する、いわゆる霊が人の身体に憑いて支配し、忘我の心的状態にさせるという「憑依現象」についての解釈は、未だ明確にはなっていない。

 精神医学の立場では、一般的に「霊」の存在を認めないゆえに、精神疾患の一種と診る。心理学的見方では、暗示作用による潜在意識状態(トランス状態)における無意識下に抑制されたトラウマによる心因性の作用とされている。

 一方、心霊科学の立場では、霊と人の意識の波動が同調すると、霊が人に取り憑き人の意識を支配し、異常な言動を発して別人格が表れる現象とみなしている。

果たして、この不可解な現象は、全て医学的疾患か、心理学的トランス状態による心因性の作用とし片付けられる問題か、あるいは霊というものが別人の肉体に憑依して起こす現象なのか。 主に霊的関与のさまざまな実験、検証を行い考察するものである。

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