PSI Vol.39,No.1 December 2017 Data 1f. pp.87
シンポジューム開催に当たって
 大会委員長 浪平 博人*

 今回のテーマは、"AIを乗り越えるのは? AI(人工知能) vs PSI(サイ能力)"です。

 思えばAIは人類にとって、かって自然の力の利用を可能にした産業革命に当たるパラダイムシフトであります。産業革命は人のエネルギーに関する問題を圧倒的な効率で解決し、新しい社会体制(資本主義)を創り出しました。
 しかし、理性・判断・知恵等の人に固有と考えられる内容に関しては手付かずのままでした。人の特性は侵されていない、あるいは、この部分は永遠に人のものであろうと安心していることができました。

 近年、AIは急速に発展しています。あまり複雑でない判断は、状況を取り出すセンサーとAI技術を組み合わせて、大過なくできるようになりました。製品は、実はこのようなAIの塊となってきました。碁や将棋でも、人はAIにかなわなくなってきました。技術的には、定型的な情報判断である医者や裁判所の仕事も、AIが取って代わることは可能でしょう。最高裁判所がAIとなることもあり得ることです。

 AIは発展し続けます。究極的には人を超えるのでしょうか。創造性をも持つのでしょうか。我々の関心事であるサイ能力もAIの下に入るのでしょうか。

 本シンポジュームはこれらの事柄について、論者をそろえて、人の本当の能力のすばらしさに分け入りつつ、AIの討議を試みるものです。

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