例会詳細
2月本部例会
日時 平成31年2月2日(土)午後1:30〜4:30 
会場 北とぴあ9階902会議室(図) (東京都北区王子1−11−1)
交通 JR京浜東北線王子駅下車徒歩2分、ホーム最北端(赤羽寄り)の階段を下り改札口を出てすぐ見える高層ビル
会費 会員 2000円(当日入会可) 一般 3000円
   学生 1000円
講演 「エピジェネティクスとは何か?」
講師 東中川 徹 氏
私たちのからだは遺伝子によってどのように作られ、また働いているのだろうか。この問いに答えるための画期的な出来事が2003年に完成しました。それは、ヒトゲノムの解明です。つまり、ヒトの設計図としての30億個の文字配列が明らかになったのです。

では、それで私たちのからだのつくりや、働きが説明できるようになったのでしょうか。 実は、この設計図(ゲノム配列)には、からだを作るにあたりどの部分をどの順序で手をつけるべきかについて何も書かれていないのです。したがって、設計図を実行に移すにはゲノムの文字配列以外の情報がどうしても必要です。

その情報とは、ゲノムを構成するDNAの化学修飾や、ゲノムに結合しているタンパク質の化学修飾などで、 そのような修飾を受けたゲノム状態をエピゲノムと呼び、これらを総じて研究する分野はエピジェネティクスと呼ばれています。

私たちが食物を通して取り入れる栄養素は、からだの構成成分やエネルギー生産に使われるだけでなく、 実はゲノムに働きかけそれをエピゲノムという形に変える働きをしています。そして、それを通じてからだの形や生理状態(健康や疾病)に深く関わっています。

エピジェネティクス研究はもう一つの重要な事実を明らかにしつつあります。それは、私たちが一生のあいだに得たからだの特徴などは、世代を超えて伝わることはない、と考えられてきました。

しかし、最近の研究によると、親の特徴が子に、また孫に伝わる可能性が指摘されています。 この過程にエピジェネティクスが関わっていることが多くの研究から明らかになっています。 このことは私たちに大きな問題を投げかけていると言えます。
その辺りも含めて、詳細にお伝え致します。


※東中川徹氏はプロフィールにありますように、永年大学や大手の研究所で研究を続けて来られました。 専門は、分子生物学で、特に21世紀における遺伝子研究の中心と考えられています「エピジェネティクス」の分野と伺っています。
2016年には「エピジェネティクス」とタイトルの著書も出版されました。 今回は、その中から興味ある話題を取り上げお話していただくことになりました。
また、氏がサイ科学に興味を持たれたきっかけについても触れていただきます。
分かりやすくお話していただけますので会員の皆様は、ご友人・知人をお誘いして是非ご参加願います。

東中川徹氏のプロフィール
1939年満州国にて誕生。終戦後、鹿児島に引き揚げ。
1965年東京大学理学部化学科卒。在学中に生物学に転向。その後生物学の道を歩む。
癌研究所、三菱化成生命科学研究所、米国留学、産業医科大学、東京都立大学を経て、
1997年早稲田大学教授。2010年退職。
2018年まで(株)EM研究機構研究部顧問。
現在、早稲田大学名誉教授、日本エピジェネティクス研究会名誉会員。
研究テーマ:発生における遺伝情報発現の機構。
趣味:書道、英文小説。





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